ロールスロイスの特注モデル「ボート・テイル」に付属する車載クロックをボヴェが製作
ボヴェは、ロールスロイスのコーチビルド部門が製作した特注モデル「ボート・テイル」のダッシュボードに取り付けるためのペアウォッチを製作した。限定3台のこの車のために、計6個のダッシュボードクロックを手掛けたのだ。
ボート・テイル専用のダッシュボード・クロック
世界的に著名な高級車メーカーであるロールス・ロイスと、スイスのスーパーコピー時計 激安 代引きブランドとして7番目に古い歴史を持つマニュファクチュール、ボヴェが初めてコラボレーションを果たした。
ボヴェ「ロールス・ロイス ボート・テイル ダッシュボードクロック」
手巻き。2万1600振動/時。パワーリザーブ約120時間。18KWGケース(直径44mm、厚さ14mm)。日常生活用防水。ロールス・ロイス ボート・テイル付属モデル。製作本数計6本。
2021年5月、ロールス・ロイスは、完全なオートクチュールを実現するコーチビルド部門で特別に製作された3台限定の新モデル「ボート・テイル」を発表。ボヴェは、この車のダッシュボードに搭載するためのペアウォッチの製作を手掛けた。
特許を取得した「アマデオ」ケースシステム。上の写真は、ストラップを外してケースバックのスタンドを立てた「テーブルクロック」の状態。
ロールス・ロイスとボヴェ、両者の熱心なコレクターのアイデアと熱意から生まれたこのコンセプトは、構想から完成まで約4年の歳月をかけて実現した。ボヴェが特許を取得する「アマデオ」ケースシステムを採用した本作は、腕時計からストラップを取り外すと懐中時計、ペンダント時計、テーブルクロックへと姿を変える。さらには本作のために開発された取り付け機構を用いて、ダッシュボードクロックとしても使用することが可能だ。
ボート・テイルの開発段階からダッシュボードに機械式時計を装着することが決まっており、このモデルが車両の一部になるように専用のマウントが作られた。繊細なトゥールビヨンを搭載した腕時計を車両に固定する際、最も懸念されるのは安全性だろう。ロールス・ロイスとボヴェ、両社のエンジニアが互いに膨大な量の情報交換を行い、最適なマウントの機構を生み出した。
走行時に起こる振動から腕時計を保護するのと同時に、マウントの機構をシンプルにすることで、オーナーが安全に着脱できるような配慮がなされた。
伝統技法を多用した外装
本作は「ダッシュボードに取り付ける」という異例のプロジェクトを実現させるため、専用のムーブメントを設計する必要があった。衝撃に弱いとされるトゥールビヨンは、一般的なボールベアリングからピボット保持に切り替えることで弱点を克服。またテンワの重量を増やし、脱進機の振動数を2万1600振動/時まで高めることで、精度を向上させた。時計本体には、走行時の振動や強い衝撃に対するテストが実施されている。
男性向けのモデルは、全体的にシンプルな印象。外装の装飾は控えめで、ケースは全面がポリッシュ仕上げだ。
性能面だけではなく、随所に施された装飾にも目を見張るべきものがある。ダイアルには、ボート・テイルの開閉式リアデッキと同様のウッドパネルが使用され、木象嵌による美しい木目が浮かび上がる。
ロールス・ロイスとのコラボレーションを象徴するのが、トゥールビヨンのブリッジにあしらわれた「スピリット オブ エクスタシー」だ。彫金師が数週間をかけ、立体的な女神像を18Kホワイトゴールドで表現した。
また反対側のダイアルにも、独自のカスタマイズが施されている。男性用モデルはアベンチュリンダイアルで、上部にはオーナーの誕生日にまつわる天球図が描かれている。対して女性用モデルのダイアルはマザー・オブ・パールでできており、花束の細密画が描かれている。
女性向けのモデルは全体的に華やかな印象だ。ダイアルに描かれた花束は、ポケットウォッチを製作していた時代から変わらず、ペアウォッチを象徴するひとつの要素である。
白紙の状態から完成に至るまで費やされた時間は、およそ3000時間。設計からパーツの加工、彫金、木象嵌、細密画、その他の作業には、膨大な時間と職人技が惜しみなく投入されているのだ。